特定健診 約15分

国保・社保・後期の特定健診は何が違う?|項目・入金・窓口負担を比較

国保の特定健診、社保の特定健診(家族)、社保被保険者の別ルート、後期高齢者健康診査。検査項目・契約単価・窓口負担・提出先の違いをクリニック向けに表で整理します。

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受付で「健診券を持ってきました」と言われたとき、国保か社保か、本人か家族か、後期高齢者か で、使える券・請求できる金額・患者の負担がすべて変わります。

本記事は、クリニックが日常的に受け入れる 4つの健診ルート を、検査項目・クリニックへの入金・患者の自己負担 の3軸で比較します。制度の入門は 特定健診とは を先に読んでください。

まず一覧で比較する

国保・特定健診社保・特定健診(被扶養者)社保・被保険者本人後期高齢者健康診査
対象年齢40〜74歳40〜74歳35〜74歳など(健保・コースによる)原則 75歳以上(後期加入者)
実施主体市区町村健保(協会けんぽ・組合健保)事業主・健保(別メニュー)市区町村(後期連合委託)
受診券市町村から送付健保から送付基本的に 特定健診の受診券は想定外市町村から送付
検査の型特定健診(国の基準)特定健診(国の基準)生活習慣病予防健診・事業者健診等後期高齢者健診(別基準)
クリニック契約市町村・医師会契約集合契約B・個別契約支部個別契約(生活習慣病予防健診)市町村・医師会契約
クリニック入金市町村との 契約単価健保との 契約単価協会けんぽ等との 別単価市町村との 契約単価
患者負担市ごと(0円〜)健保ごと(0円〜数千円)コースによる(例:最高5,500円)多くは無料(市の実施要綱による)
XML提出先国保連合会経由が多い支払基金経由健保・基金(契約による)国保連合会経由が多い

ポイント — 「うちは特定健診ができる」= 国保+社保家族+後期 ができるクリニックでも、社保の会社員本人 は別契約がないと補助付きでは受けられない、というパターンが全国にあります(→ 家族は可・本人は不可?)。

1. 検査項目の違い

国保・社保の「特定健診」(40〜74歳)

コア項目は同じ です(手引き・健診判定基準に準拠)。

  • 問診(服薬・喫煙など)
  • 身長・体重・腹囲・BMI・血圧
  • 脂質・血糖・尿(糖・蛋白)
  • 医師の診察

違いが出るのは「契約の上乗せ」 です。

追加されやすい項目国保社保(被扶養者)
心電図市の契約による健保・集合契約による
胸部X線・胃部検査市・オプション健保・オプション
便潜血(がん検診連携)市のがん検診とセットのことが多い健保次第

同じクリニックでも、市の国保契約健保の社保契約 で請求できるセットが違うことがあります。

社保被保険者本人(特定健診の受診券ルートではない)

協会けんぽの 生活習慣病予防健診 では、労働安全衛生法の定期健診項目も含む より広いセット が標準です(バリウム検査等を含む場合あり)。これは特定健診の受診券とは 別メニュー・別単価 です。

社保被保険者の健診

後期高齢者健康診査(75歳以上が中心)

特定健診(40〜74歳)とは別制度 です(高齢者保健法に基づく)。

  • 基本項目:身体計測、血圧、血液・尿、問診、医師の診察など
  • 40〜74歳の特定健診ほど メタボ判定・特定保健指導 が前面に出る設計ではない
  • 市町村の実施要綱で詳細が決まる

窓口では「後期の健診」と「国保の特定健診」を 別券・別単価 として扱います。

2. クリニックに入ってくるお金(契約単価)

健診収入は 診療報酬ではなく、保険者との委託契約単価 です。

国保特定健診

項目内容
誰と契約するか市区町村(または市が委託する医師会)
単価の決まり方市町村・年度ごと。全国でばらつきあり
例(基本健診)集合契約Bで 7,650円 前後の地域が多い(年度・契約タイプで変動)
入金経路国保連合会経由の請求が一般的

社保特定健診(被扶養者・受診券)

項目内容
誰と契約するか健保(集合契約A/B・個別契約)
単価の決まり方健保・契約タイプ・年度ごと
例(協会けんぽ・令和8年度)契約単価 8,393円、健保の補助上限 7,150円
入金経路支払基金経由(社保)

社保被保険者本人

項目内容
誰と契約するか協会けんぽ支部 等との個別契約(生活習慣病予防健診)
単価の例健診費用上限 19,635円、健保負担 14,135円(協会けんぽ・一般健診コース)
注意被扶養者向けの 8,393円契約とは別

後期高齢者健康診査

項目内容
誰と契約するか市区町村
単価市町村・年度ごと(国保特定健診と別表)
入金経路国保連合会経由が多い

クリニックが忘れがちな「第2のお金」

委託単価とは別に、医師会への代行入力手数料(500〜700円/件) がかかる運用があります(→ 健診1件、お金はどう動く?)。

3. 患者さんの自己負担

国保特定健診

パターン窓口負担
市が全額助成0円
契約単価が助成上限を上回る差額(数百円〜)
オプション検査追加負担あり得る

市ごとに全然違う ので、受診券と市の年度案内をセットで確認します。

社保特定健診(被扶養者)

項目例(協会けんぽ・令和8年度)
契約単価8,393円
健保が負担する上限7,150円
患者負担(最大)1,243円

医療機関が差額を吸収して 0円表示 にしている場合もあります。受診券の「負担額」欄と 必ず一致 させてください。

社保被保険者本人

生活習慣病予防健診(35〜74歳一般健診)では、協会けんぽの例で 自己負担最高5,500円(残り14,135円が健保負担)という設計です。企業が負担を肩代わりする運用もあります。

後期高齢者健康診査

多くの市区町村で 本人負担0円(税・保険料で賄う)ですが、オプション検査は別料金のことがあります。

4. 受付で使う切り分けフロー

受診券あり?
  ├─ 国保の券 → 市町村契約の特定健診
  ├─ 健保の券(家族)→ 社保特定健診(集合契約B等)
  ├─ 後期高齢者の券 → 後期高齢者健診(別単価)
  └─ 会社員本人が「健診したい」
        → 職場健診? 生活習慣病予防健診の契約施設?
        (特定健診の受診券とは別)

5. XML提出先の違い(事務向け)

健診の種類提出の典型
国保特定健診国保連合会(オンライン請求ネットワーク)
社保特定健診支払基金
後期高齢者健診国保連合会
社保本人(生活習慣病予防健診)健保・基金(契約による)

社保用ZIPと国保用ZIPは分けて 管理・提出します(→ 院内提出の準備と運用)。

まとめ

  • 特定健診のコア項目 は国保・社保(家族)で共通。後期高齢者は 別制度
  • クリニック入金 はすべて委託契約単価。市・健保・契約タイプでバラバラ
  • 患者負担 は「契約単価 − 助成上限」。社保被扶養者は 1,243円 になり得る典型例あり
  • 社保本人 はこの表の「社保特定健診」列に当てはめない

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よくある質問

検査項目は国保と社保で違いますか?
特定健診としての法定コア項目(問診・身体計測・血圧・脂質・血糖・尿など)は共通です。ただし市区町村・健保の契約で追加項目(心電図・胸部X線など)やオプションが異なります。後期高齢者健康診査は別の項目体系です。
クリニックに入ってくるお金はどこで決まりますか?
保険者(市区町村・健保)と医療機関の委託契約単価です。国保は市町村ごと、社保は健保・集合契約の種類ごとに異なります。診療報酬ではありません。
患者に「無料健診」と言ってよいですか?
契約単価が補助上限を上回ると窓口負担が発生し得ます。受診券の負担額表示と契約単価を必ず照合してください。特に社保被扶養者で誤解が起きやすいです。

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