特定健診 約12分

特定健診とは?|40〜74歳の制度・検査項目・メタボ判定・XML提出を整理

特定健康診査(特定健診)とは何か。対象年齢・目的・法定検査項目・メタボ判定・特定保健指導との関係・XML提出まで、クリニック院長・事務向けの制度入門です。

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「特定健診をやっている」「特定健診の契約がある」——外来クリニックではよく聞く言葉ですが、制度としての特定健診院内で言う「健診」 が一致していないことがあります。

本記事は 特定健康診査(略して特定健診) が何かを、院長・事務向けに整理する 入門 です。

特定健診は何のための制度か

2008年度から始まった、メタボリックシンドロームの早期発見と重症化予防 のための国の制度です。

項目内容
正式名称特定健康診査
対象年齢原則 40歳以上74歳以下
対象者健康保険の被保険者・被扶養者(実施のしかたは保険の種類で異なる)
ペアになる制度[特定保健指導](/blog/tokutei-hoken-shido-guide/)(生活習慣改善の支援)
結果の提出厚労省 第4期電子的標準様式(V08) のXML(ZIP)

健診を受けただけでは制度は完結しません。健診データを保険者に提出し、ハイリスク者には保健指導につなげる——これがセットです。

一般健診・人間ドック・雇用法健診との違い

特定健診一般健診・人間ドック労安法の定期健診
根拠高齢者医療確保法等自由診療・自費メニュー労働安全衛生法
対象40〜74歳(保険者経由)年齢制限なし雇用者が雇う労働者
費用保険者補助+窓口負担基本的に自費事業主負担
XML提出必須(委託契約がある場合)なし保険者へデータ連携でみなし可
クリニックの契約市町村・健保と委託契約任意企業と直接契約も可

窓口で「健診」と言われたとき、どの制度か を最初に切り分ける必要があります。

検査項目の骨格(何をやる健診か)

特定健診の項目は 健診・保健指導実施判定基準(手引き)で定められています。コアは次のとおりです。

区分主な項目
問診服薬、喫煙、既往、自覚症状など
身体計測身長、体重、腹囲、BMI
血圧収縮期・拡張期
血液検査中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、血糖(空腹時または随時)
尿検査糖、蛋白
その他医師による診察、必要に応じた心電図・胸部X線など(契約・年齢で追加)

メタボリックシンドロームの判定(腹囲・血圧・血糖・脂質・服薬の有無)と、保健指導の階層(情報提供/動機づけ支援/積極的支援)が、この項目セットの上に載ります。

誰が実施するか(国保・社保・後期は別)

特定健診の 検査の中身 は全国で共通の型ですが、誰が券を送り、いくら払い、どの契約で受けられるか は保険の種類ごとに違います。

保険・制度実施のイメージ
国保市区町村が主体。40〜74歳の国保加入者
社保(家族)健保が主体。被扶養者に受診券
社保(本人)事業者健診・生活習慣病予防健診など 別ルート(→ 社保被保険者の健診
後期高齢者別制度(後期高齢者健康診査)。特定健診とは別枠

→ 項目・クリニックへの入金・患者負担の比較は 国保・社保・後期高齢者の違い を参照。

クリニック側で起きること(実務の流れ)

  1. 委託契約 — 市区町村・健保・医師会経由の集合契約など
  2. 受付 — 受診券(整理番号11桁・期限・負担額)の確認
  3. 健診実施 — 問診・計測・検査・医師診察
  4. 判定 — メタボ・保健指導階層(手引き 第4.3版 の階層化表)
  5. XML提出 — 健診データを保険者へZIP送信(実施区分「1:特定健康診査」)
  6. 特定保健指導 — 対象者への面談・継続支援・評価(実施区分「2:特定保健指導」)

多くの小規模クリニックでは、5のXMLを 県医師会に代行入力 してもらう運用が残っています(→ なぜ手書き?)。

健診のあと、クリニックが具体的にやること(保健指導まで)

健診と保健指導は 告示第92号で要件が分かれています(健診=第1、保健指導=第2)。健診だけの契約でも、判定結果は保健指導の入口になります。健診+指導を同一クリニックで受託している場合、次の流れが標準です(出典:特定健診・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き 第4.3版標準的な健診・保健指導プログラム 令和6年度版)。

段階やること記録・提出
健診当日受診券・マイナ保険証等で資格確認。検査・問診・診察健診データを院内システムへ
判定直後メタボ判定・保健指導階層(動機づけ/積極的)を確定健診XML(HC/CC)の提出準備
健診当日〜1週間可能なら初回面談(先行実施) — 第4期では当日20p・1週間以内10pの早期実施加算(→ 特定保健指導の内容国保では利用券発行前に名簿提出が必要な場合あり(契約仕様書参照)
初回面談20分以上。行動目標・支援計画。3か月後の評価予約をこの時に確定初回面談記録・ポイント
継続(積極的のみ)3か月以上。個別・電話・メール等で 合計180ポイント を計画各支援の日時・手段・双方向の証跡
3か月後体重・腹囲の 客観的測定、行動計画の実績評価保健指導XML(hg08等)・分割請求の後半
脱落時資格喪失・服薬開始・音信不通など契約どおりの報告中断・脱落者報告書(保険者指定様式)

患者が「保健指導対象」と分かった瞬間 にやるべきことは次の3点です。

  1. 支援区分の確認 — 保険者の階層化結果と院内判定の突合(服薬中・75歳到達予定は除外の可能性)
  2. 利用券・マイナ保険証 — 初回・継続・評価の 毎回 確認(確認漏れは請求不可の契約が多い)
  3. 初回面談の予約または当日案内 — 「結果待ちで帰す」より 院内フロー で当日〜1週間以内に入口を作る

健診XMLと保健指導XMLは 別ファイル・別実施区分 です。オンライン提出の操作は 支払基金:特定健診・保健指導システム を参照してください。

お金の流れ(概要)

クリニックが受け取るのは 保険者との契約単価 です。患者の窓口負担は 契約単価と補助上限の差 になり得ます。医師会代行手数料は 委託料とは別コスト です。

→ 詳細は 健診1件、お金はどう動く?

特定健診ブログの読み順(このあと)

  1. 本記事(特定健診とは)
  2. 国保・社保・後期高齢者の違い
  3. 特定保健指導の基本(別シリーズ:全記事マップ
  4. 社保被保険者の健診

索引は 全記事マップ です。

まとめ

  • 特定健診は 40〜74歳向けの国の生活習慣病対策制度(特定健康診査)
  • 健診+XML提出+(必要なら)特定保健指導 がセット
  • 一般健診・人間ドック・雇用法健診とは 別物
  • 国保・社保・後期高齢者で 券・契約・負担 が違う

関連リンク

よくある質問

特定健診と一般健診・人間ドックは同じですか?
異なります。特定健診は国の生活習慣病対策制度で、40〜74歳を対象にメタボリックシンドロームの早期発見と特定保健指導につなげるための健診です。一般健診や人間ドックは保険外の自由診療・自費が中心で、請求・提出ルールも別です。
会社の定期健診は特定健診になりますか?
労働安全衛生法の定期健診で特定健診と同等以上の項目を満たし、保険者にデータが届けば、被保険者本人は別途受診しなくてよい場合があります(みなし実施)。詳しくは社保被保険者の健診の記事を参照してください。
クリニックが特定健診をするには何が必要ですか?
法律上の施設基準(告示92号)に加え、市区町村・健保など保険者との委託契約が必要です。契約がなければ受診券は使えません。

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