特定保健指導 約13分

特定保健指導の請求と脱落|音信不通・途中終了・返戻防止

特定保健指導の請求と脱落対応。音信不通時の3回催促、途中終了の按分請求、資格確認ミス・虚偽計上の返戻防止をクリニック向けに整理します。

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第3章:回す(8〜10) (3/3)

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特定保健指導は 3か月スパン のため、健診より「請求の取りこぼし」と「返戻」のリスクが大きいです。

本記事は 特定保健指導の費用 の続きとして、脱落・音信不通・コンプライアンス に焦点を当てます。

完了の定義を再確認

制度上の 終了 は、初回面談だけでは成立しません。

  • 初回から 3か月以上経過後 の行動計画実績評価が基本
  • 積極的支援は 180ポイント以上(→ 特定保健指導の内容

「初回だけ実施して請求完了」は 契約・仕様違反 になり得ます。分割請求の前半分を受け取っても、後半が条件未達なら返戻の対象です。

途中終了・脱落時の請求(一般型)

契約により異なりますが、次のパターンがよく見られます。

1. 服薬開始・自己都合による中断

  • 実施済みポイントまで 按分計算 で請求可能な契約がある
  • 例(熊本市国保):単価×一定割合×(実施済ポイント÷契約ポイント)
  • 中断・脱落者報告書 の提出が必要な場合あり

2. 連絡なしの脱落(継続支援中)

  • 最終利用日から一定期間(例:2か月)未利用
  • 通知送付後、再開依頼期間(例:2週間)を経て自動脱落認定
  • そこまでの実施分を請求

熊本市国保の例:継続支援中に 3回以上連絡 しても応答がなく、最終利用日から 2か月 未利用 → 通知後 2週間 で脱落認定(出典:令和8年度熊本市国保特定保健指導業務委託仕様書)。

3. 実績評価時の音信不通

  • 電話・FAX・書面等で 3回以上 催促した記録
  • 記録があれば評価分(動機づけの残り2割、積極的の残り6割等)を請求できる契約例あり

事務スタッフによる「3回催促ルート」のマニュアル化 が必須です。最悪、初回後の報酬すら返還されるリスクがあります。

熊本市国保の請求分割(令和8年度・参考)

熊本市国保と直接契約する機関では、次の単価・分割が契約別紙に定められています(出典:令和8年度熊本市国保特定保健指導業務委託契約書・別紙1)。

支援区分契約単価(税込)初回面接後実績評価後
動機づけ支援11,000円8割(8,800円)2割(2,200円)
積極的支援25,666円4割(10,266円)6割(継続5割+評価1割)

途中脱落は 実施済ポイント÷契約ポイント で按分。初回面接を分割した場合、2回目完了後に初回分を請求します。国保連合会経由の電子請求が基本で、資格確認漏れ・初回未完了は 請求不可 と明記されています(同一契約書 第9条)。

患者自己負担は 無料(契約単価超のオプションコースを作る場合のみ差額説明が必要)。

催促ログのテンプレート

方法日時結果担当
1電話不通/留守電
2電話(数日後)
3書面またはメール送付記録

電子カルテまたは保健指導専用シートに 必ず残す 運用にしてください。

返戻・不正請求で注意される事例

厚生労働省・保険者から注意喚起されている例:

事例問題点
返信のないのにメール支援を計上双方向性なし
自己申告のみで腹囲・体重を完了扱い客観的測定なし
面接なしでメール支援を面接として計上支援内容の偽装
資格喪失後の実施保険証・利用券の確認漏れ

実績評価の体重・腹囲は 指導者による測定等で客観性を担保 することが基本です(Q&A)。

XML・資格ミス

  • 支援区分・保険者コードの誤り
  • 完了区分と実態の不一致
  • 健診XMLとの整合性

健診側の返戻パターンは 返戻・メタボ判定 も参照してください。

まとめ

  • 請求は 工程分割+完了条件 の両方を満たす必要がある
  • 脱落でも 按分・催促記録 により回収できる契約がある
  • 証跡(ログ・測定・資格確認)が 返戻防止の本体
  • 次の記事(読み順): 特定保健指導の採算(第4章)

よくある質問

患者と連絡が取れなくても評価分は請求できますか?
保険者仕様によりますが、実績評価時に電話・FAX・書面等で3回以上催促した記録を残すことで、評価分を請求できる契約があります(例:熊本市国保)。契約書の条件を必ず確認してください。
途中で脱落した場合、初回分だけでももらえますか?
多くの契約では、脱落日までに実施したポイント分を按分して請求できます。中断・脱落者報告書の提出が必要な場合があります。
メールを送っただけで継続支援1回分と計上してよいですか?
いいえ。双方向のやり取りが必要です。返信のない一方向配信を計上した不正事例が厚労省から注意喚起されています。

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